月次締めの進め方【最短ルート】記帳代行の現場からプロが解説

月次締めの進め方【最短ルート】記帳代行の現場からプロが解説

「毎月、締め切りギリギリで綱渡りをしている」「資料が揃わなくて作業が止まる」……。

そんな悩みを持つ経理担当者の方へ、数多くの企業の記帳を請け負う会計事務所の現場で実践されている「月次締めの最短ルート」を公開します。

最短で終わらせる鍵は、「着手の順番」と「資料不足の早期発見」です。

【全体像】月次締めを止める「ボトルネック」を潰す

月次締めとは、試算表を完成させるまでの一連の工程ですが、多くの初心者が「資料が全部揃ってから」始めようとして停滞します。

最短ルートの基本フロー:

  • 資料不足を確認する(初動がすべて)
  • 来た資料から入力を始める(待ち時間をゼロに)
  • 通帳から入力する(全体像を把握)
  • 残高を照合し、試算表を完成させる

月次締めで最も時間を食うのは「確認作業」とボトルネックとなる「資料待ち」です。現場では、期限ぎりぎりに質問をすることや、資料が足りないというのが一番よくないとされています。資料チェックリストを動かし、不足しているものを即座にクライアント(または他部署)へ督促します。このリードタイムの短縮こそが、最短ルートへの第一歩です。

現場で使う「2つのリスト」による進捗管理

プロの現場では、頭の中だけで管理せず、必ず以下の2つのリストで「詰まり」を可視化します。

① 資料チェックリスト(素材の仕分け)

ジャンル確認すべき内容
売上・売掛金請求書、売上一覧、レジ原票
仕入・買掛金仕入伝票、届いた請求書
給与給与明細、源泉税納付書、振込データ
預金全口座の通帳コピーまたはWeb明細
その他固定資産の領収書、借入金の返済予定表

② 会計進捗リスト(工程の管理)

「売上は終わったが、仕入が未着手」など、どのジャンルまで仕訳が終わっているかを一目でわかるようにします。複数人で作業する場合や、複数社を抱える場合に威力を発揮します。

実務者が教える「入力の鉄則」

全部揃うまで待たない

「資料が全部揃ってから美しく入力したい」という気持ちを捨てましょう。会計事務所の現場では、「来た資料から順に打つ」が鉄則です。

「通帳」から手を付ける

入力の起点は必ず「通帳(預金)」にします。入出金のすべてが記録されているため、お金の流れが見え、「この入金はあの売掛金の回収だ」と他の資料との紐付けがスムーズになります。不明点を早期に洗い出せる点も大きなメリットです。

慣れていない会社の場合は、前月の仕訳を確認する

入力を始める前に、必ず前月の仕訳内容をレビューしてください。継続的な取引のパターンが頭に入るため、入力スピードが上がり、今月だけ発生したイレギュラーな動き(異変)に気づきやすくなります。

クラウド会計時代の「最短ルート」

以前の記帳代行は「手入力の速さ」が勝負でしたが、今は「データ連携の設計」が勝負です。

  • 自動取得:銀行・カードは同期。同期不可なものはCSVインポート。
  • AI推測:自動仕訳の推測機能を育てる。
  • OCR活用:紙の領収書はスマホやスキャナで取り込み。
  • 電帳法対応:データで取り込むことで、電子帳簿保存法の要件も自然にクリア。

【注意事項】自動推測された科目や同期での仕訳予測は、必ず最後は人の目で確認しましょう。

まとめ:最短ルートは「仕組み」で作る

月次締めのスピードアップは、根性論ではなく「手順の最適化」で決まります。

  • 初動:月初すぐに資料不足を連絡する
  • 順序:通帳から入力を開始する
  • 管理:進捗リストで「どこまで終わったか」を可視化する
  • ツール:クラウド会計の同期とOCRをフル活用する

このステップを習慣化するだけで、毎月の締め切り直前のバタバタは劇的に解消されるはずです。

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