「今月、こんなに税金を払うなんて聞いていないよ」
これは、私が新人時代にお客様から実際に言われてしまった言葉です。
当時の私は、期限内に処理することに必死で、税金を「その都度対応するもの」と考えていました。しかし、経営において税金は「突然やってくる大きな支出」であってはなりません。
そこで重要になるのが、年間の納税予定を可視化する「納税カレンダー」という考え方です。
なぜ「納税カレンダー」が必要なのか
法人の税金は、決算時だけではありません。法人税、消費税、源泉税、固定資産税……。さらに「予定納税(中間納付)」という、前年の実績に基づいて発生する支払いもあります。
これらを「納付書が届いてから」認識していると、以下のようなリスクが生まれます。
- キャッシュの誤認:通帳にあるお金を「自由に使っていいお金」だと思い込んでしまう。
- 見落とし:税務署からの郵送物廃止により、紙の納付書が届かず支払いに気づかない。
- 判断のミス:納税直前に大きな投資をしてしまい、手元の現金がショートしそうになる。
納税カレンダーは、単なるスケジュール帳ではありません。「今、手元にある現金のうち、いくらが納税用か」を区別するためのツールなのです。
管理すべき項目のポイント
カレンダーには、単なる納期だけでなく、以下の項目をセットでメモしておくのが実務的です。顧問税理士に教えてもらってもいいですね。
- 税目と納期(いつ払うか)
- 概算金額(いくら払うか:前年実績か税理士事務所へ依頼する)
特に金額については、未確定であっても「前年並みなら〇〇万円」と書いておくだけで、キャッシュの認識は劇的に変わります。
実務での活かし方
「今月は300万円残っている」ではなく、「300万円あるけれど、来月の予定納税で100万円消えるから、自由に動かせるのは200万円だ」。この一歩踏み込んだ認識こそが、経営の安定感を生みます。
まとめ
納税カレンダーは、経営に「想定外」を作らないための防衛策です。
- 自社の決算月を起点に1年間のイベントを書き出す
- 前年実績から「概算額」や「予定納税額」を書き込む
- 「納税後のキャッシュ」で次の投資を考える
このサイクルを作ることで、納税による資金繰りの混乱はかなり防ぐことができます。まずは手近なスケジュールに、次の予定納税の日付を書き込むことから始めてみてください。
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